岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域 小布施祈織
ENGLISH

研究紹介

  

流体力学

大きなスケールで見ると連続的とみなせる物体で, 力が加わると流動するものを流体といいます. 私は主に流体に関わる研究を行っており, 扱う題材は, 惑星大気のような大きな流れからナノサイズの小さな流れまで, 多岐にわたります. また, 研究目標や手法も各テーマによって大きく異なります. 以下では, 現在行っている研究をいくつかご紹介します.

惑星大気の流れ

惑星大気の基礎方程式はほぼ確立されていますが, 大規模な流れのダイナミクスは非常に複雑な要因が絡み合った結果として得られるものであり, 多くの場合, 単純かつ特徴的な流れのメカニズムでさえ明らかではありません. そのため, 数値シミュレーションや様々な解析的手法を用いて、流れの構造を探っています.

2次元回転球面上Navier-Stokes乱流における大規模構造の出現と時間発展
2次元回転球面上Navier-Stokes乱流における大規模構造の出現と時間発展

珪藻周りの流れ

珪藻は, マイクロメートルサイズの孔が規則的に並ぶガラス質の被殻を持ちます. この孔の存在が珪藻にどのような影響を与えているのかを調べるため, 様々な孔のサイズや密度および珪藻の形などを仮定し, 数値シミュレーションなどを用いて, 珪藻の専門家と協力しながら珪藻周りの流れを調べています.

珪藻の殻の写真(撮影および提供:岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域 根本理子准教授)

生物情報学

  

ヒザラガイの磁鉄鉱歯

ヒザラガイは, ジルコニアよりも耐摩耗性の高い, 磁鉄鉱でできた歯を持っています. このような素材は材料として非常に有用ですが, 現在の人の技術では, 超高音・超高圧の条件下でしか生成することができません. ヒザラガイの専門家と協力して, 遺伝子解析を行うことにより, ヒザラガイの歯の生成にかかわるタンパク質を探しています.