研究内容
マルチスケール・マルチフィジクス複雑流動現象の計算科学
微粒子の大気による輸送・拡散や内燃機関における高効率かつクリーンな燃焼は環境問題と関係するテーマである。 これらはマルチスケール・マルチフィジクス複雑流動現象であり, その本質的解明には乱流物理の理解が欠かせない。そこで, 乱流の信頼性の高い数値計算手法を開発し, スーパーコンピュータを用いた大規模な数値シミュレーションを行うことにより, 様々な乱流現象の計算科学的な解明を目指している。
乱流の大規模な直接数値シミュレーションで
得られた階層的な渦構造
ノルマルヘプタン(ガソリンの主な成分の一つ)の
自己着火過程の直接数値シミュレーション
大規模時系列データの数理科学的な情報縮約と可視化
大規模な数値シミュレーションで得られる膨大な時系列データから重要な情報を効率的に引き出す手法が必要となっている。 乱流現象の理解には可視化と条件付き統計解析が有効である。 パーシステント・ホモロジー解析ではスカラー場のトポロジーの時空間における「変化」を組織的に抽出可能である。 そこで, これらを融合した数理科学的な解析・可視化方法を開発し, 複雑な流動現象の理解と実問題の解決に役立てたいと考えている。
乱流境界層の直接数値シミュレーションによって
得られた乱流境界層の乱流・非乱流界面.
ノルマルヘプタンの自己着火過程の直接数値シミュレーション.
用いた温度初期条件とそのパーシステント図.
研究室紹介
流体現象、数値シミュレーション、スーパーコンピュータ、計算科学、数理科学に興味があり、計 算機を道具としてフル活用した「研究」をしてみたい人向けの新しい研究室です。
- 流体現象を正確かつ高速にシミュレートするためのコード開発
- 数値シミュレーションによる流体現象の解明
- 数値計算データの数値解析・可視化による情報抽出
等、計算・数理科学の手法を駆使して、宇宙、気象、環境、工学など多様な分野に貢献する研究を行っていく予定です。