数字にだまされるな


お団子を例にあげよう. 直径 3 cm だったお団子が増量して直径 3.6 cm になっ たとする. つまり, お団子の大きさが 1.2 倍になったのだから, 2 割大きくなっ たと言える. しかし, 体積は 1.2 の 3 乗, つまり1.728 倍になった事になる. つまり, 重さも 7 割強の増量になる. つまり, 同じことを「2 割」と「7 割強」 のどちらでも表現できる訳である. 印象は大きく違ってくるだろう. 数字だけ ではなくその意味を理解しないと, 実態は分らない.

単純な話でもこうである. 現実に目にする数字は, 調査結果であったり実験結果 であったり, いろいろと複雑な要素がからんでくるので, もっとややこしい. しかし, 実態を理解せずに数字だけを眺める事が誤解を招くことにかわりはな いだろう. 詳細を示さずに, 数字を並べたてるような話には, 注意したほうが よいと思う. 知らず知らずに, 印象をいいように操作されているかも知れない.

...という話を書いてみたが, 読んだ人の多くが「何をあたりまえの話を...」 と思ってくれることを祈る.


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